お金のはなし【後半】お金は「共同幻想」なのか?

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以前に書いた『お金のはなし【前半】お金は「共同幻想」なのか?』(2019年12月22日)の続きです。ここで軽くおさらいです。

【前半】のおさらい

人々は「物々交換」から始まり、次第に物々交換から「貝」をお金代わりに使うようになりました。金属を加工できるようになると「硬貨」をつかうようになり、次第に「金や硬貨」を預けて発行される借用書を紙幣にしていきました。紙幣への信用は、国が管理することで更に広がって行くというところまででした。

今回は、そこから現在、そして未来について解説しています。

有力者・支配者・国が、紙幣発行の権限を管理

世界最古の紙幣は中国で1000年頃、交子(こうし)と言われる紙幣が中国北宋代に四川地方で発行されました。

日本最古の紙幣は、山田羽書(やまだはがき)と言われています。(詳しくは伊勢河崎商人館のページへ)
1610年頃、現伊勢市で生まれ、明治時代まで約250年間に渡り、伊勢神宮周辺で流通しました。本格的な紙幣が生まれるのは明治に入ってからです。

世界では、国の信用を元に、紙幣を管理していきました。ちなみにヨーロッパでは1640年頃、正式には1694年設立の英蘭銀行により最初の近代的紙幣が出現しました。

国が紙幣を発行できるということで、国がお金が必要になったとき、紙幣をたくさん発行してしまうということが歴史上何度も起きています。

例えば、ドイツが第一次世界大戦後に、金本位制(※次の項で説明)をやめ紙幣の発行量は増え続け、最終的には一般物価水準は25000倍にまでなりました。俗に言うハイパーインフレです。

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金本位制とは、そして金本位制の終焉

各国が管理する貨幣価値の信頼性を保つために、貨幣製制度の根幹をなす基準を金と定めていきました。この制度のことを金本位制といいます。

古くから金本位制の理念はありましたが、金の採掘が今ほど無かった時代は、本格的な金本位制度とは言えませんでした。

19世紀になってイギリスにおいて金本位制が法的に整備され初めて実施されました。
今から約200年前の1817年にソブリン金貨と呼ばれる金貨を作ることで、金本位制を確立させました。
イギリスの通貨ポンドが、重さの単位なのもうなずけます。その後もヨーロッパ各国が続いていきました。

それからは、戦争や世界恐慌などで、各国中断したり再開したりを繰り返します。
第2次世界対戦後、世界では米ドル金為替本位制を中心としたIMF体制が創設され、アメリカの通貨を中心とした間接的な金本位制が続くことになります。

しかし、1971年当時のアメリカ、ニクソン大統領が、金と米ドルの引き換えを停止します。いわゆるニクソンショックがおき、金本位制は終わります。

変動相場制への移行

その後、変動相場制に移行はして、円高ドル安にはなっていたものの、日本にとって大きな影響を与えたのは、1985年アメリカ、レーガン政権下で行った、先進国蔵相・中央銀行総裁会議いわゆるプラザ合意です。
「円高ドル安」の先進国間で協調をおこない、既に1ドル360円から240円になっていた相場が、一気に120円まで変化しました。

それからの30年は概ね、1ドル100円前後を推移している現状は、皆さんご存知のとおりです。

お金という共同幻想

私たちが日ごろ、財布に入れているお金。

銀行の通帳の数字、そして一万円札に価値を感じることができるのは、これまで書いた人類のお金への信頼と失望の結果だと言えるかもしれません。

多くの先人が、お金に騙され、人生を狂わされた過去があるから、今の信頼があるといえます。

先人の経験が、現代の人々がお金に価値を感じている。つまり共同幻想をいだいているということなのだと思います。また、お金の信用がなくなり、銀行の通帳の数字を信頼できなくなる日がきたら、共同幻想は終わります。

お金という存在は、実は絶対的なものでなく、儚いものであることが歴史からわかってもらえたらと思います。

「信用」をいかに確保するかが、お金の歴史、そして未来

物々交換から、株式、仮想通貨への進化をつづけるお金。
私たちが生きていく上で、お金を考えないで人生を送ることは不可能です。そして、一見、お金に関係ないと思うこともお金で考えることでうまくいくこともたくさんあります。

最近お金というキーワードで、キングコングの西野亮廣さんや、ホリエモンこと堀江貴文さん、N国党の立花孝志さんなど多くの方々が、「お金=信用」というキーワードでYoutubeなどを通じた発信をしています。

皆が言っていることは、「お金=信用」ということです。

「お金のはなし」を書くにあたり、すべての項目でキーワードになるのはやはり「信用」「信頼」でした。
これからもキャッシュレス、仮想通貨、進化していく中でも、唯一変わらないのは「信用」だと思います。

福沢諭吉、そして次の渋沢栄一の一万円札を絶対と思わず、「信用」を稼ぐというつもりでこのブログも書いて行きたいと思っています。

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Keiichiro SAITO

Keiichiro SAITO

ファイナンシャル・プランナー

令和元年から「金融知識が人生を変える!」をテーマにブログを書いているファイナンシャル・プランナー
▶︎社会人として製薬会社の営業でスタート▶︎社会に役に立つポイントが違うと保険会社へ転職▶︎法人・個人のファイナンス全般のコンサルティング。保険代理店所属
常に新しいことにチャレンジしたい。物事に執着したくない。47歳の東大阪市に住む「FPおじさん」

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