一世帯30万給付対象になる「住民税非課税世帯とは」

住民税非課税世帯
2020年4月16日追記
4月16日20時に、安倍内閣総理大臣は、緊急事態宣言のエリアを全国に広めるとともに、1世帯30万円の生活支援臨時給付金をとりやめ、その代わりに国民一人一人に所得制限を設けず10万円を支給すると発表しました。
ここでの解説は、古い情報になります。ご注意ください。
2020年4月14日追記
30万円の給付の条件である住民税非課税世代については、その条件が簡略化されました。詳しくはこちらの記事をご覧ください。「コロナで収入減、1世帯30万円給付する要件を簡素化・スピード化」

日経新聞Web版で「緊急事態宣言、7日発令 7都府県、5月6日まで」という報道がされました。また、緊急事態宣言に伴い「経済対策108兆円 中小に最大200万円給付 7日決定」という報道もされました。

今回はこの中でも、実際に今回の給付対象となる

住民税非課税世帯について解説していきます。

住民税非課税世帯とは

背景01

今回は、最も簡単でかつ、最も事例が多いだろうケースについてまず例を示します。

また、住民税の基準が均等割と所得割の二つ存在しますが、均等割の方が基準が低いため、均等割が非課税になれば住民税非課税ということになりますので、均等割の計算を用います。これらの詳細については今回は割愛します。

今回の条件としては、1級地(東京23区、指定都市)での計算をしています。2級地(県庁所在市、一部の市町)、3級地(一般市・町村)などになると限度額基準が少し低くなります。

以上のことと、控除額については、それぞれ異なりますので、あくまで計算値については概算としてご覧ください。

 

【単身世帯】会社員は、年収 約100万円以下

収入に換算すると100万円。所得金額が35万円以下で住民税非課税になります。

年収100万円 - 給与所得控除65万円 ※ = 所得35万円

【3人世帯】会社員と専業主婦、子ども1人は、年収 約205万円以下

収入に換算すると205万円。所得金額が126万円(35万円×3+21万円)以下で住民税非課税。

年収205万円 - 給与所得控除79万5000円 ※ = 所得125万5000円

【4人世帯】会社員、専業主婦、子ども2人は、年収 約255万円以下

収入に換算すると255万円。所得金額が161万円(35万円×4+21万円)以下で住民税非課税。

年収255万円 - 給与所得控除94万5000円 ※ = 所得160万5000円

 

※ 給与所得控除額は年収によって変わります。

スポンサーリンク


一世帯30万円の給付対象は、

背景02

今回の経済対策として、30万円の給付対象となると報じられているのは、

  1. 年収ベースで住民税非課税水準
  2. 大幅な減収(半減以下)、かつ年収ベースで住民税非課税水準の2倍以下

①は、前項の例をご覧いただければ、自分の世帯年収を当てはめれば対象かどうかがわかると思います。

②に関しては、まず前年に比べて、収入が半減していることが条件で、かつ前項の数字の2倍以下になっていれば給付対象です。

また、下記の方々も対象になります。

  • 前年中に収入がなかった人
  • 1月1日現在生活保護法の規定による生活扶助をうけている人
  • 1月1日現在障害者・未成年者・寡婦・寡夫に該当し、前年中の合計所得金額が125万円以下の人

給付対象世帯は、限定的な印象

今回の30万円給付対象は非常に限定的であることがわかります。課税対象になるかならないかの計算は、ちょっと面倒な上に、皆が知っているようなモノではありません。

今回の経済対策としては、せっかく108兆円もの税金を使うのに、国民全体に希望を持たせるという意味では、限定的になってしまうのではないかと思います。

中小企業や、個人事業主、フリーランスにも別途給付措置

今回の日本政府の政策としては、企業に対して給付して、今回の危機を乗り越えて雇用を継続してほしいという意味あいの方が、大きいように思えます。

中小企業には最大200万円の給付、個人事業主には最大100万円の給付と報じられています。

まとめ

新聞の見出しには、108兆円の経済対策という文字が躍ります。内容の詳細については、現段階(2020/04/07朝)では公表されていません。
もし人口の1億2000万で単純に割ったとしたら一人あたり約90万円になります。4人家族で360万円になります。

しかしながら、現金給付に回るのは108兆円のうち限定的であり、その日の大阪の朝のワイドショーではアナウンサーが6兆円にとどまるとのコメントをされていました。残りは企業などへの融資などの対策費ということでした。

今回の対策では実際に収入が減ったからといって、現金給付があるかというと疑問が残ります。
景気は気の問題でもありますし、感染防止で何ヶ月もの間ストレスを抱える国民に対して、パンデミックに立ち向かう政府の意気込みを示すには、なにか迫力を感じないものになってしまった感は否めません。

感染抑制のための経済活動に影響する自粛は、これから数ヶ月続くと言われています。国民全体が協力して、心を一つにして難局に立ち向かわなくてはなりません。
そのためにも、国民にもう少しわかりやすく具体的に安心できる対応策が必要だと感じています。

とはいっても実際に、経済対策は行われますので、みんなでコロナウィルスの蔓延を抑え込み、医療崩壊を防ぎ、犠牲者を少なくしてよりよい未来を切り開いていきましょう。

 

スポンサーリンク




Keiichiro SAITO

Keiichiro SAITO

ファイナンシャル・プランナー

令和元年から「金融知識が人生を変える!」をテーマにブログを書いているファイナンシャル・プランナー
▶︎社会人として製薬会社の営業でスタート▶︎社会に役に立つポイントが違うと保険会社へ転職▶︎法人・個人のファイナンス全般のコンサルティング。保険代理店所属
常に新しいことにチャレンジしたい。物事に執着したくない。47歳の東大阪市に住む「FPおじさん」

FOLLOW

タグ:
関連記事

3 件のコメント

  1. フリーランスのカメラマンです。
    開業届は、提出してません。個人事業主の対象に成らないのですか?
    年収は、最大100万位、ですが所得は、数万です。(ほとんど経費)
    個人事業主には最大100万円の給付対象は、無理ですか?
    現在、住民税非課税です。
    一世帯30万給付対象には、当てはまりますか?

    • コメントありがとうございます。
      個人事業主の100万円に対しては、NHKの最新ニュースをこちらです。
      https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200408/k10012374071000.html
      ここを読む限り、これから具体的な請求の仕方が出てくるモノと思います。それから、昨年と今年の差が半分以下になってることを証明する必要がありそうです。
      また、一世帯30万給付対象には、当てはまると思います。各自治体の窓口で受け付けることになりそうです。この情報だけでは、確定できませんので、必ず各自治体の窓口に確認してください。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です