国民医療費が増加の一途をたどるなか、政府は今の医療制度をどのように持続させるかを考えている。
75歳以上にかかる費用は17年度で約16.1兆円にのぼるり、その4割を現役世代の保険料が支えている。16兆円は全体の医療費の約3分の1にあたる。
団塊の世代(昭和22年から24年生まれの方々)が、2022年に75歳つまり後期高齢者になり始める。
その団塊世代は一学年約260万人もいる。現在の90万人程度しか赤ちゃんが生まれてないことを考えると、驚きの数字。当時の日本の人口が7000万人程度だったことからも空前のベビーブームだったことがわかる。
これから来る、医療費の増大に向け、政府は遅まきながら対策を始めている。
もくじ
現在の後期高齢者医療制度について
75歳以上の高齢者の方は、基本的に窓口負担は1割で、一ヶ月の上限は14,000円になっている。入院に関しては(世帯ごと)上限は57,600円になっている。
収入条件によって、現役並みの所得者は3割負担になるし、低所得者は窓口負担1割は変わらないが上限額が低くなっている。
制度が変わるので、その時その時の制度を確認してほしい。一例として東京都後期高齢者医療広域連合の高額療養費のページを参照。
2022年度からの新制度にむけて、政府は検討
外来の窓口負担が、原則1割から2割に上げようという今回の検討。医療費の抑制を考えてのことだが、2つの意図が垣間見れる。
- 医療費の自己負担増による健康保険の疲弊を和らげる。
- 窓口負担倍増(1割から2割へ)による受診抑制。
健康保険組合の負担を減らすことは、今後の医療制度を守るためにも必要なことだ。そして、窓口負担の倍増は、高齢者が医療機関への受診の回数を抑制することになるだろう。
高齢者には厳しい改正となる。
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どうやって備える?
社会保障、税金が上がり、年金が減って、医療費の負担が増える。頭が痛い問題ばかりだ。
老後2000万円問題が、2019年の話題になっていたが、医療介護に必要なお金を国に頼る時代は終わったのかもしれない。
医療保険(民間生命保険)で対応することもあるだろう。しかし20年後30年後の医療制度がどう変わるかわからないし、入院一日5000円の保障が、将来のインフレリスクに耐えられるとはなかなか思えない。
医療保険は、あくまで入院手術の困ったときのベースとしての一部として考えるしかない。
そんな中で、どのような医療保険を選択していけばいいかについては、追って記事にしていきたい。
まとめ
70歳75歳まで現役で働ける健康でチャレンジできる自分であること、そして、個人で未来に投資して、資産運用していくことも真剣に考えなくてはならないだろう。