政府は3年後の2023年からマイナンバーカードと介護保険の保険証を一本化するとの報道がありました。
健康保険証の機能も先行して組み合わせるということなので、行政と医療と介護の手続きが一枚のカードで済むようになります。
便利になるのは良いのですが、どんな問題などがあるのでしょうか?
もくじ
そもそもマイナンバーカードとは
「マイナンバー」と「マイナンバーカード」を分けて話をしないといけません。
「マイナンバー」は既に国民に付与されていますので、皆さんも持っているはずです。今回話題にしているのは「マイナンバーカード」になります。
マイナンバーカードは申請することで、プラスチックの運転免許証のような写真付きのカードが発行されます。
平成27年2015年の年末に、個人番号は付与され、各家庭にも通知カード(紙の簡易版)が郵送されてきたと思います。既に4年前のことになりますので、覚えていない人や失くしてしまった人も多いかもしれません。
その時の案内にも書いてあるマイナンバーの目的を整理したいと思います。
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行政の効率化
行政機関や地方公共団体などで、様々な情報の照合、転記、入力などに要している時間や労力が大幅に削減されます。
複数の業務の間での連携が進み、作業の重複などの無駄が削減されます。
国民の利便性の向上
添付書類の削減など、行政手続きが簡素化され、国民の負担が軽減されます。
行政機関が持っている自分の情報を確認したり、行政機関からの様々なサービスのお知らせを受け取ったりできます。
公平・公正な社会の実現
所得や他の行政サービスの受給状態を把握しやすくなるため、負担を不当に免れることや給付を不正に受けることを防止するとともに、本当に困った方にきめ細やかな支援を行うことができます。
マイナンバーカードの普及の遅れ
2019年11月現在において、マイナンバーの交付枚数は2000万枚に達していません。普及率は15%程度です。
そもそも、マイナンバーを推し進める上で、ここまで普及が遅れているのは、マイナンバーに反対する人たちが多くいたためです。国会ではマイナンバーの是非が政治の対立点として、度々取り上げられる事がありました。
国家が国民を番号で管理することへの批判が主な理由です。
また、番号ですべてが紐付けられてしまうため、金融資産、病歴、職歴、家族などなど、一つの番号ですべてが分かってしまいます。国家がこんな番号を管理して良いのかどうかという議論です。
政府は、マイナンバーカードを付与しておきながら、金融機関との連携、医療機関との連携に関しては及び腰で、批判が出なくなるまで、じっとだまっている戦略だったように思います。
その結果、5年経とうとしているのに全く普及していないのです。
介護・健康保険証は、マイナンバーカードで代用
当初、健康保険証とマイナンバーカードの紐付けは、政府としても消極的でした。
しかし、国民医療費が年間43兆円を超え、今後も増えていくという流れの中で、より効率的な医療、そして重複などの無駄を省くためにも、マイナンバーの紐付けは、必要な政策でした。
医療の健康保険証は2021年3月からマイナンバーカードで代用
健康保険証は、来年の3月からマイナンバーカードで代用できるようになります。
このことで、病歴の把握、薬の処方の重複や、医療費の把握など医療の効率化が進むものと思われます。
来年の健康保険証に関しては、代用ができるということで、健康保険証をつかいつづけることもできるということです。この政策だけでは、爆発的なマイナンバーカードの普及にはつながらない可能性も考えられます。
介護保険の保険証は2023年からマイナンバーカードと一本化
65歳以上の人だけで3500万います。介護保険証をマイナンバーと一本化することで、マイナンバーカードの普及は、必然的に進むものと思われます。
介護保険とマイナンバーカードの一本化は、介護保険の効率化というよりも、普及のためという側面もあるようです。
今年20年9月から始まる「マイナポイント」って?5000円得?
2020年9月から2021年3月までは期間限定で、マイナンバーカード保有者に「マイナポイント」を付与するサービスが始まります。
キャッシュレス決済サービスを一つ選び、2万円分を前払いすれば、1ポイント=1円として使える5000ポイントが貰える仕組みです。
手を変え品を変え、マイナンバーカードの普及をすすめる
介護保険の保険証をマイナンバーカードと一体化することが、マイナンバーカードを普及する決定打になるかどうかは、別としても、マイナンバーカードが普及することで効率化が進み、便利になることは多くなると思います。
今でも、住民票、印鑑証明、確定申告など、マイナンバーカードを持つことで役所に行かなくても済むことが多くなってきました。
将来的には、市役所の窓口に行く必要がほとんど無くなると思います。銀行窓口と同じですね。
どんどん便利になる中で、ナンバーが情報流出してしまうというニュースも時々目にします。
便利で、公正な世の中のためにも必要なこととは、いえ、デメリットがあることも十分理解して、マイナンバーを活用するサービスを展開する企業、行政には細心の注意をお願いしたいですね。
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